診療内容

GIP/GLP-1医療ダイエット外来
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ふるさと内科のGIP/GLP-1医療ダイエット外来とは

GIP(ジーアイピー)/GLP-1(ジーエルピーワン)を利用した医療ダイエットの特徴は、「無理をせず自然と食欲をコントロールできるようになること」です。
一般的な食事制限のみのダイエットと違い、「食べたい」思いを無理やり我慢するのではなく、GIPとGLP-1は「食欲」を穏やかに調整するため、自然と食事量が減り、少ない食事量で満足感を得やすくなります。
その結果、体重を徐々に減らす効果が期待できます。
GIPとGLP-1は、食後に小腸から分泌されるホルモンで、血糖値を下げるインスリンの分泌を促進し、食欲を抑制する働きがあります。
食生活を習慣づけて軽い運動とあわせて続けることで、長期的に健康的な体重管理を目指すのが特徴です。
当院のGIP/GLP-1医療ダイエット外来では、マンジャロという注射薬を使用します。
マンジャロとは?

マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として開発された医薬品で、週に1回自己注射(自分で注射すること)で投与します。
もともとは糖尿病の治療薬ですが、血糖値を下げるだけでなく、食欲抑制と満腹感の持続などにより体重を減らす効果も期待できることから、肥満症の治療薬として注目されています。
マンジャロの有効成分は「チルゼパチド」といいます。
チルゼパチドはGIP(ジーアイピー)とGLP-1(ジーエルピーワン)という2つのホルモンに同時に作用する世界初のGIP/GLP-1受容体作動薬です。
アメリカのイーライリリーという製薬会社が開発し、日本では2023年4月に糖尿病の治療薬として発売されました。その後2025年4月に、同じ成分の「ゼップバウンド」という薬が肥満症の治療薬として承認されています。
マンジャロの効果
マンジャロは、GLP-1とGIPの相乗的な作用によって食欲抑制と満腹感の持続、血糖値のコントロール、脂肪代謝から、体重減少が期待できます。
- 食欲抑制と満腹感の持続
脳の満腹中枢に働きかけ、自然に食欲を抑えます。
また、胃の動きを緩やかにすることで、少量でも満腹感が長く続き、間食や過食を防ぎます。 - 血糖値のコントロール
血糖値が高いときにのみインスリンの分泌を促し、血糖値を安定させます。
これにより脂肪を溜め込みにくい体質へと導きます。 - 脂肪代謝の改善
脂肪の分解を促進し、特に内臓脂肪やウエスト周りの脂肪を効率よく減らす効果が期待できます。
また、基礎代謝を上げてエネルギー消費を増加させる働きもあります。

特に食欲抑制と満腹感の持続の効果が体重減少に大きく寄与します。
無理なく食事量を減らすことができ、ダイエットを継続しやすくなるのです。
当院がマンジャロを採用する理由
肥満症の治療薬にはマンジャロの他に、同成分の「ゼップバウンド」や、2型糖尿病や体重管理に用いられる有効成分「セマグルチド」の「オゼンピック」「ウゴービ」があります。その中で、当院の医療ダイエット外来でマンジャロを使用する理由は以下の通りです。
自分で注射をするのが怖いと思う方もいらっしゃると思いますが、マンジャロはアテオスという「当てて押す」だけの、簡便な仕様となっています。また、当院では院内で動画を見ていただき、デモペンという薬剤や針が入っていない練習用の注射器を使って、看護師が丁寧に説明しますので安心してください。
実際に院長もマンジャロを試してみて、痛みが少ないことや効果・副作用を実証しています。
デモペンを実際にご覧になりたい方や、興味はあるけど、注射が不安な方は、いつでもお気軽にお声がけください。
当院での処方対象
自費診療のため、一般的には明確な処方基準はありませんが、当院ではマンジャロの添付文書や副作用のリスクを考慮し、処方対象を以下の通りとさせていただきます。
| 年齢 | 18歳以上の方のみ対象 |
|---|---|
| BMI | BMI 23以上の方のみ対象。(BMI 23以上で開始した方でも、BMI 20を切った際には処方を終了します。) |
| 基礎疾患 | 糖尿病がない方のみ対象。(糖尿病の方は保険診療で相談。Ⅰ型糖尿病の方は禁忌です。) |
| その他 | 授乳中、妊娠中、妊娠の可能性のある方、激しい運動やアルコール過飲など低血糖をおこす恐れがある方、医師が処方するにあたり適切ではないと判断する基礎疾患、内服薬、アレルギー、食生活がある方は対象外とさせていただきます。また、初回に自費診療のデメリットを説明の上、同意書にサインをいただきます。 |
ダイエット効果はどのくらいあるのか?

マンジャロは、注射をしてから約24時間で血中濃度がピークとなり、約5~6日で作用が半減します。食欲がなくなる効果は、一般的に投与開始から1〜2週間以内に実感できることが多いです。
体重の減少効果は、元の体重、投与量、投与期間、個人の体質によって異なりますが、複数の臨床試験で以下のような結果が報告されています。
臨床データ一覧
※ 横にスクロールしてください。
| 区分 | 投与量 | 結果 |
|---|---|---|
| 日本人(糖尿病)52週 | 5mg | 平均 5.8kg の体重減少 |
| 10mg | 平均 8.5kg の体重減少 | |
| 15mg | 平均 10.7kg の体重減少 | |
| 海外(肥満症)72週 | 5mg | 平均 15.0kg の体重減少 |
| 10mg | 平均 19.5kg の体重減少 | |
| 15mg | 平均 20.9kg の体重減少 | |
| 日本人(肥満症)72週 | 10mg | 平均 17.8% の体重減少 (Kgではなく%です) |
| 15mg | 平均 22.7% の体重減少 |
※ SURPASS-J-mono試験、SURMOUNT-1試験、SURMOUNT-J試験を参照
多くの方は1~3ヶ月で体重が減少してきますが、もちろん個人差があります。
あくまで私の経験からの印象では、マンジャロ2.5mg4週間、その後は5mgを維持した場合、3ヶ月で体重が約3〜7%減少、6ヶ月で体重の約7〜10%減少が期待できます。
10mgまで増量した方では、3ヶ月で約6~8%、6ヶ月で約10~13%の減少が目安です。
仮に体重60㎏の方だと、5mg使用で3ヶ月で約2㎏〜4㎏、6ヶ月〜1年で約4㎏〜6㎏減少する計算になります。


副作用
マンジャロは有効性が高い一方、副作用も起こりうるため、医師の指導のもとで慎重に使用することがとても大切です。
一般的に起こり得る主な副作用は以下の通りです。
- 消化器系の症状 吐き気、悪心、下痢、便秘、腹痛、嘔吐、食欲不振などが報告されています。これらは治療の初期や用量が増えた際に起こりやすく、体が薬に慣れると軽減されることが多いです。
- 低血糖 マンジャロは、血糖値が高い時だけインスリンの分泌を促すため、単独で使用する場合は低血糖のリスクは低いとされています。ただ、他の糖尿病治療薬と併用する場合には注意が必要です。
- その他 注射部位の赤みやかゆみなどが生じることがあります。
これらの副作用は、薬剤を中止するとほとんどの場合回復します。
ただ、まれではありますが、急性膵炎や胆嚢炎などの重篤な副作用も報告されているため、薬剤を中止しても強い腹痛や持続的な嘔吐などの異常を感じた場合は、速やかに当院までご相談ください。
当院では、院内で血液検査や、腹部エコー、腹部CTが実施できるので、万が一副作用が生じてしまった場合でも、迅速に対応させていただきます。
費用
| 種類 | 1本あたりの価格(税込) | 1月あたりの費用(マンジャロ4本と診察料1000円込) |
|---|---|---|
| マンジャロ 2.5mg | 1本 4,000円 | 17,000円(税込) |
| マンジャロ 5mg | 1本 6,250円 | 26,000円(税込) |
| マンジャロ 7.5mg | 1本 8,500円 | 35,000円(税込) |
| マンジャロ 10mg | 1本 10,750円 | 44,000円(税込) |
費用として、毎回診察料(1,000円)がかかります。
また、初回は血液検査(糖尿病や甲状腺疾患、脂質異常、肝臓・腎機能異常症などのチェックをします)を行います。
※ 3か月以内の、健診などでの採血結果を持参いただけば、一部省略可能です。
血液検査の費用は別途(必要項目、全て行う際は3,000円)となります。
以上、初回は最大で計20,000円(税込)のお支払いとなります。
(マンジャロ 2.5mg×4本=16,000円(1か月分) + 診察料(1,000円) + 血液検査費用(3,000円))
2.5mgで継続される方は、次回は4週分で17,000円(税込)、5mgに増量される方は4週分で26,000円(税込)となります。
用量は、2.5mgで効果を実感できる方はそのままの用量で良いと思いますが、5mgあるいは7.5mgまで増量しないと効果が出ない方もいらっしゃるなど、個人差がありますので適宜相談となります。
ご来院いただき対面で処方するため、郵送料等の他の費用はかかりません。
また、消毒用アルコール綿をマンジャロの本数分、無料でお渡しします。
アルコールアレルギーがある方は、ノンアルコールの消毒綿をお渡ししますのでお伝えください。
他の医療機関や美容クリニックと比べて費用が安い理由は、当院は内科での保険診療が本業であり、マンジャロの処方で大きな利益を追求していないからです。あくまで地域の皆様からのご要望に応えての外来であり、また、肥満傾向のある方の合併症を早期に発見するためという、重要な目的もあります。
外来での所要時間
血液検査は全て院内機器で行います。
結果が出るまで約30分かかるため、初回は大体40~60分ほどのお時間が必要になります。
検査結果に大きな問題がなければ受診当日の会計後にマンジャロをお渡しします。
2回目の受診からは体重測定と診察のみとなるため、副作用やその他の事などで相談したいことがある方以外は、お時間はそれほどかかりません。
注射を打ち忘れた場合、保管方法と取り扱いについて
- 注射を忘れた場合は、次回注射予定日まで 3日(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに 1回分を注射してください。
その後はあらかじめ決められた曜日に注射をしてください。
次の注射予定日まで 3日(72時間)未満の場合は、忘れた分は注射せずに、次の予定日に 1回分を注射してください。 - マンジャロは冷蔵庫(2~8℃)に入れて保管してください。
- 使用後は、医療ゴミとなるため一般ゴミとして廃棄できません。次回来院時に当院へご持参ください。(箱や包装袋、アルコール綿などはご家庭で廃棄可能です)

副作用がきつい方のために

副作用は、治療の初期と薬剤の増量時に多いとされています。
逆に用量を維持しているときに副作用が生じることは比較的少ないです。
特に多い副作用は吐き気ですが、1回あたりの食事量を減らし小分けにして食べる、脂っぽい食品は控える、満腹感を感じたら無理に食べないなどの対応で、多くの場合は改善します。
初期にのみ副作用の予防として内服薬を使用するのも1つの方法です。
当院では希望される方には、副作用対策の内服薬をご用意しております。必要な方はご相談ください。
管理栄養士による栄養相談を行っています(週2回、水・木の午前)

当院では、管理栄養士による栄養相談を行っています(週2回、水・木の午前)。
マンジャロは先に述べたように、驚くほど体重が落ちるお薬で、2022年の大規模試験(SURMOUNT-1)では、平均で体重の20%前後も減少したという結果が出ています。
ただ、やめたらリバウンドするのでは?とよく聞かれますが、もちろん薬をやめれば体重が戻る可能性はあり、実際の研究でも、マンジャロをやめると体重がある程度戻る傾向は見られました。
ただ、これはマンジャロが大きな効果がある薬剤という証拠ともいえます。ダイエットにはやはり食事生活や運動を中心とした、続けられる習慣づくりと、必要に応じた治療の継続がポイントになります。
そこで当院では、リバウンドの心配がある方や、より確実に健康的にダイエットを続けたい方向けに、患者様それぞれに応じた管理栄養士によるダイエット目的の栄養相談も行っております。
| 1回 約30分 | 2,000円(税込) |
|---|
完全予約制になりますので、ご希望の方は、事前にお電話か受付でご相談ください。
保険診療を希望の方
肥満治療薬として「ゼップバウンド」「ウゴービ」は保険診療の対象薬ではありますが、
保険診療の対象は、BMI35以上 あるいは BMI27以上(ウゴービは25)かつ高血圧・脂質異常などの合併症を伴う場合に限定されています。
また、
- 先に6カ月以上の食事療法・運動療法を行った方のみ、処方可能
- 専門の医療機関のみ処方可能
と大変厳しい条件があります。
ただ、それを満たす方で、保険診療が希望の方は対応病院を紹介させていただきますので、お気軽にご相談ください。
注意点
マンジャロは、日本では2型糖尿病の治療薬として承認されています。
しかし、糖尿病の治療ではなく、体重管理・減量を目的とした使用は、保険適用外の自由診療となります。
保険適用外のため、美容クリニックやオンライン診療のクリニックでもよく処方されていますが、病院ごとに値段が異なります。
特に注意することとして、肥満症の治療薬としては未承認のため、医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。
当院では国内大手の医薬品卸業者から直接仕入れており、院内の冷蔵庫で保管しておりますので、品質はご安心ください。
自己判断での使用はせず、医師の診察を受け、正しい打ち方と使い方で使用することが効果を高める上でも大切になります。